テールアルメ工法とは

舘山寺スマートIC

世界でNo.1の実績の補強土壁工法

テールアルメ工法とは、1963年にフランスで開発された、世界でNO.1の実績を誇る補強土壁工法です。

盛土材に構成の帯状補強材(ストリップ)を敷設することによって補強効果を発揮し、盛土全体としての安定性を高めるべく 考案された鉛直の壁面を有する土工構造物です。

フランス語でTerre(テール)は「土」、Armee(アルメ)は「補強」を意味し、英語ではReinforced Earthと呼ばれています。

日本では、導入以来様々な改善改良が加えられ一般工法として定着しており、補強土の中で一番歴史を重ねた工法です。

テールアルメ工法の補強原理の基本

粘着力のない砂中に鋼製の帯状ストリップを鉛直・水平両方向に所定の間隔で敷設することのよって、その砂の盛土体をあたかも粘着力を有した材料から できた安定性の高い盛土として挙動することを原理としております。

このことは、盛土材として金属フォイルを巻き込んだ砂の供試体による三軸圧縮試験による研究成果としても確認できることが報告されています。

テールアルメ工法の補強原理の基本

テールアルメ工法のマニュアル

テールアルメ工法のマニュアルは、土木研究所、高速道路総合研究所、鉄道総合研究所などの監修のもと、初版が1982年に土木研究センターから発刊されています。

初版が発刊された後も、4回の改定を経て、現在は第4回改訂の追補版が公開されています。

補強土(テールアルメ)壁工法 設計・施工マニュアル(第4回改訂 追補版)

補強土(テールアルメ)壁工法 設計・施工マニュアル表紙

テールアルメ工法の安定性の考え方

テールアルメのストリップに働いている引張力を測定した結果を模式図に示すと引張力の最大値は壁面からやや離れた盛土内部で生じており、 その最大値は土かぶりの大きい盛土の深い部分ほど大きくなっています。また、引張力の最大値が生じる各段の位置は図のようになっています。

このような分布になるということは、ストリップに働く盛土材の摩擦力の方向が、引張力の最大値を境に逆転していると考えることができます。 つまり、境界よりも壁面側では盛土材は壁面側にずり落ちようとする方向にストリップを引張っています。

一方、盛土材側では引抜けようとしている ストリップを盛土材が引き止め、これによって補強盛土の全体の変形を抑制していることを意味していると考えられます。

テールアルメ工法の安定性

テールアルメが世界で採用されているのはシンプルな部材と施工の容易さです

テールアルメの構成部材は主に5つ。規格化されたプレハブ工法のため、容易に施工が可能で工期を短縮することができます。

施工

■主要部材

①コンクリートスキン:スキンとは、「表皮」という意味をもっており、テールアルメにおいては、壁面材をあらわします。 テールアルメの理論上、土のこぼれ防止部部材となります。
②ストリップ:役割は補強材としての部材であり、補強土壁工法の原理の根幹をなす最も重要な部材です。
③ボルト・ナット:コンクリートスキンとストリップとの連結、ストリップが長尺となるときのストリップ相互の連結に用いられます。
④水平目地材:水平目地材は、コンクリートスキンの水平目地部に収縮性のあるクッション材を挿入することにより、壁面全体としての 柔軟性の確保を目的に使用するものです。
⑤透水防砂材:コンクリートスキンの縦目地からの盛土材の漏出を予防するために用いられます。

①コンクリートスキン
①コンクリートスキン
②ストリップ
②ストリップ
③ボルト・ナット
③ボルト・ナット
④水平目地材
④水平目地材
⑤透水防砂材
⑤透水防砂材

施工手順

①整地・基礎工を施工した後は、②コンクリートスキン組立、③ストリップ敷設、④盛土材敷き均し・締固めの工程を繰り返し、最後に⑤笠コンクリート工を実施するシンプルな施工手順となっています。

①整地・基礎工
①整地・基礎工
②コンクリートスキン組立
②コンクリートスキン組立
③ストリップ敷設
③ストリップ敷設
④盛土材敷き均し・締固め
④盛土材敷き均し・締固め
⑤笠コンクリート工打設
⑤笠コンクリート工打設

テールアルメは様々な場所に対応しています

テールアルメは工法は、主に道路事業に多く用いられていますが、幅広い適用性から、様々な場所で使用されています。

①造成地
①造成地
②橋台アプローチ
②橋台アプローチ
③港湾
③港湾
④鉄道
④鉄道
⑤空港
⑤空港
⑥防衛
⑥防衛